活動状況
消費者庁の地方移転に関する意見書を発出しました
消費者庁の地方移転に関する意見書を発出しました。
意見書:消費者庁及び独立行政法人国民生活センターの徳島移転検討継続に反対する緊急意見書.pdf
平成28年8月19日
消費者庁及び独立行政法人国民生活センターの徳島移転検討継続に反対する緊急意見書
当法人においては、平成27年12月3日に、「消費者庁・国民生活センターの地方移転に反対する意見書」を発出したところですが、その後も、移転についての検討が進められてきました。
しかしながら、今般、消費者庁の2度目の移転試行が7月に行われた後、7月29日に河野太郎前・内閣府特命担当大臣(消費者担当大臣)の閣議後記者会見において、消費者庁等の移転検討を3年後に先送りすること、徳島県に「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」という消費者庁の拠点を設置すること、などの方針が示されました。8月末には政府としての方針の結論が出される予定となっています。
こうした状況を踏まえ、私たちは消費者行政の機能の維持・発展を求める立場から、以下について意見を申し述べます。
1 消費者庁・国民生活センターは、移転試行の結果を速やかに公表すべきです。
消費者庁・国民生活センターは、移転試行期間中に生じた課題について、定性的・定量的に整理し、国民に対してその結果を速やかに公表すべきです。特に、移転試行を行うことによって、通常の業務にどれだけの支障があったのか、またはなかったのかをいち早く明らかにすべきです。また、移転試行に要した経費は国民の税金であることを踏まえると、どれだけのコストがかかり、その経費はどこから捻出されたのかについても早急に説明すべきです。
2 「3年後の見直し」及び「消費者行政未来創造オフィス」の取組は白紙撤回すべきです。
今回の政府方針においては「移転等に伴う弊害・問題点がある場合、それを上回る必要性・効果があると判断されれば、弊害をできるだけ少なくする措置を講じた上で移転を行う」とされており、その検証の一環として今回消費者庁・国民生活センターの移転試行が行われました。
しかし、そもそも消費者庁の主たる業務である危機管理業務・司令塔機能(他省庁調整業務)・国会対応業務・法執行業務等が、この移転試行の過程で、諸制約の中で実現できなかったこと、国民生活センターの研修・商品テスト試行においても、参加者のアクセスやテスト機材等に課題を残したこと等に鑑みれば、移転による弊害や問題点を上回る必要性や効果が見い出せたとは到底言えず、それ故、消費者担当大臣としても移転検討の先送りという判断をしたものと考えられます。
今後、相当なコスト・労力をかけて再度の見直しを実施するとしても、通常の消費者庁業務、国民生活センター業務に大きな負荷をかけるものとなり、引き続き移転問題への対応を余儀なくされることで、消費者庁や国民生活センターの機能は低下し、消費者行政の後退につながることは明白です。「3年後の見直し」は白紙撤回すべきです。
また、「消費者行政未来創造オフィス」の取組についても、消費者庁が果たすべき消費者行政の本来機能の充実を損なうものであれば、中止すべきです。